植物由来「ゆで卵」、CO2半減 目標は1個100円
植物由来ながらゆで卵そっくりの代替卵を、スタートアップのグリーンカルチャー(東京・千代田)が開発した。養鶏による卵生産に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量を半減できる。量産により1個100円以下で飲食店などへの供給を目指す。代替卵は既に実用化されているがゆで卵は珍しい。代替食品の種類が増えると、消費者が食生活を大きく変えることなく脱炭素を進めやすくなる。 形や光沢、質感も再現 取材の途中、金田郷史
再エネ送電、鉄路4.5万キロの潜在力 静岡鉄道が架線活用
静岡鉄道は線路上の架線を使って地元産の再生可能エネルギーを融通する構想に動き始めた。太陽光発電所などでつくった電気を沿線の公共施設や自社施設に届け、地域活性化に結びつける。実現すれば全国初という。全国で約4万5千キロメートルにのぼる鉄道架線の活用が進めば、送配電網の容量不足を緩和し、災害時に停電しにくい街づくりにつながりそうだ。 レイルグリッドでEVに供給検討 静岡鉄道は静岡市中心部と沿岸部を結
予測型LCAで低炭素製品の開発支援 東大と14社
素材やエネルギーなどに関する新技術の実用化により、特定製品の二酸化炭素(CO2)排出量は将来どう変わるのか。東京大学と三菱ケミカルグループ、日本製鉄など14社は、こういった推計を可能にする新たな評価手法の開発に乗り出す。企業が研究開発テーマを決めたり、公的機関が支援対象を選んだりするのに活用することを想定している。 新技術の効果、複数のシナリオで 研究はこのほど設立した「未来戦略ライフサイクルア
DACコスト半減へ極薄膜 九州大学・双日・九州電力
直接空気回収(DAC)で、シリコン製の薄膜を使い二酸化炭素(CO2)を空気中からこし取る技術の開発が進んでいる。九州大学の藤川茂紀主幹教授らの研究チームによるもので、CO2を30倍以上に濃縮するのに成功した。薄膜を使うのは世界でも珍しく、コストは従来手法の半分以下になる可能性がある。双日や九州電力などと組み、2025年にも実証に取り組む。 DACは空気中に0.04%しか含まれないCO2を直接回収
再エネ共同調達、まず2TW時 武田薬品など日米欧18社
武田薬品工業や米ファイザーなど日米欧の大手製薬は、サプライヤーが再生可能エネルギーを使いやすくするための共同調達を始めた。まず2022年9月から11月にかけて合計2テラ(テラは1兆)ワット時を購入した。沖縄電力の年間販売電力量の3割ほどに相当する規模だ。大企業による取引先の再生エネ調達支援としては米ウォルマートの事例があるが、各国企業が連携するのは珍しい。 サプライヤー支援の「エナジャイズ」
電力9割減へ「液浸冷却」 KDDI・NTT系データセンター
データセンターの国内大手がサーバーを液体に浸して冷却する「液浸」を導入する。KDDIはこのほど冷却のための電力消費を94%減らせることを実証し、2023年度にも実用化する。NTTデータも23年度中に実装する考え。これまで液浸は国内での運用実績が乏しくノウハウが少ないため、導入が限られていた。普及が進めば、データセンターの利用企業にとって供給網全体を対象とする「スコープ3」の二酸化炭素(CO2)排
「眠れるガス田」総菜工場 ライフ・イオン系がバイオ発電
食品スーパーが自前でバイオガス発電施設を運営する動きが広がってきた。ライフコーポレーションは大阪市の総菜工場に食品残さを活用した発電施設を稼働させ、首都圏での発電も検討する。イオン子会社で四国が地盤のフジも松山市の工場で発電している。総菜工場が「眠れるガス田」として注目されている。 燃料はキャベツの芯やパイナップルの皮 大阪の市街地から車で20分あまり。大型トラックが出入りする倉庫街の一角に、ラ
半導体のCO2算定にデファクト サムスンやインテル70社
半導体製造に伴う二酸化炭素(CO2)排出量を算定する国際的な統一基準作りが始まった。米インテルや韓国のサムスン電子、東京エレクトロンといった世界の半導体関連メーカーが参加するコンソーシアムが2023年中にもまとめる。事実上のデファクト(業界標準)になる可能性がある。米アップルなど完成品メーカーが取引先に脱炭素対応を求める動きが強まるなか、客観的な基準作りが各業界で進む。 SEMIに気候コンソーシ
リサイクル可能なフッ素樹脂 AGC、低炭素・資源確保
AGCは半導体製造などに使うフッ素樹脂のリサイクル事業に乗り出す。耐久性や電気絶縁性が高いため幅広い産業用途があるが、製造時に電気や熱エネルギーを多く使う問題があった。循環利用ができれば省エネにつながり、温暖化ガスの排出も抑えることにつながる。半導体製造向けで2025年ごろまでに実証実験でノウハウを蓄積し、30年めどに実用化を目指す。 電力使用を抑える AGCは計3種のフッ素樹脂を手掛ける。代表
EV充電時間3分の1 シラの電池負極材、米政府も支援
日本経済新聞社が脱炭素分野の世界の有望企業をリスト化した「GX Unicorn」のなかでも電池関連など「エネルギー貯蔵」分野のスタートアップは2022年の資金調達額が最も多かった。車載電池向けのシリコン負極材を手がける米シラ・ナノテクノロジーズ(Sila Nanotechnologies)はこれまでに累計10億ドル(約1300億円)強を調達した。電気自動車(EV)の急速充電にかかる時間を3分の1