ホンダとヤマト運輸、商用軽EVで集配 実用性検証へ
ホンダとヤマト運輸は2023年4月、商用軽自動車タイプの電気自動車(EV)を使った集配業務の実用性を検証すると発表した。検証期間は2023年6〜8月を予定している。 検証では、ホンダが2024年春に発売予定の商用軽EVを使用する。軽商用バンである「N-VAN」をベースとしている。助手席側のセンターピラーがないためドアを開けた際の開口部が広く、助手席を倒すと前部から後部まで水平な荷室をつくれるのが
ニデック、売上高4兆円への道 主役は4つの製品技術
2022年度通期(2022年4月〜2023年3月)の連結決算(国際会計基準)で売上高が初の2兆円を超えたニデック(旧日本電産)。同社は2021年7月に発表した中期戦略で売上高を2022年度に2兆円、2025年度に4兆円にすることを目標に掲げた。2022年度の目標を達成した同社が売上高4兆円を実現するためのけん引役として期待する技術や製品は何か。2022年4月25日に開催された決算発表会から探った
近距離宅配に歩道走行型配送ロボ 法改正で普及の兆し
歩道走行型配送ロボットとは、近距離の宅配を担う小型・低速のロボットである。近隣の小売店や配達拠点などから、食料品や荷物などを住宅などに届ける手段として活用が期待されている。2023年4月の改正道路交通法の施行で、この配送ロボットに関する規制が大幅に緩和。法律上で「遠隔操作型小型車」として定義され、管理者が遠隔から監視・操作することで公道(歩道)での自律走行が可能となる。EC(電子商取引)事業を手
日本精工、樹脂活用し電食防ぐEV向け軸受 低コスト
日本精工(NSK)は電動車両向けの駆動モジュールである電動アクスル(eAxle)に組み込む軸受として、電流によって軸受が損傷、劣化する「電食」を防ぐ製品を2種類開発した。樹脂を使用することで、電食への対策で一般的に採用されているセラミック製の玉軸受に比べ、コストを低減した。 開発した2種類の軸受のうち、1つは軸受を構成する環状部品である「軌道輪」に樹脂で絶縁用の膜を施したものである。軌道輪の外周
パイオニアなど、EVの導入・運用を支援 普及推進
パイオニア、イチネン、パナソニックエレクトリックワークス社(以下、パナソニック)は2023年4月、電気自動車(EV)の利用を総合的に支援する実証実験を、2022年11月から開始したと発表した。EV導入時の支援から導入後の安定した電力供給・運用まで、EV利用時の不安を解消する総合的なサービスを開発・提供する。企業や自治体などのEV導入の敷居を下げ、EVの普及を推進するのが目的だ。 具体的には、イチ
中国で急浮上のRISC-V、米も関心 狙いは産業・自動車
「半導体の明日」では、目まぐるしい速度で変化する半導体の技術や産業構造について識者が分析し、これから進むべき道筋を示します。 今回は、英Arm(アーム)の命令セットアーキテクチャー(ISA)の対抗馬として期待されている「RISC-V(リスクファイブ)」の見通しを考察する。RISC-Vに対するスタンスは、企業や業界によって大きく異なるように見える。そこで、Armとさまざまな側面から比較しながら、その
「自動運転対応道路」で走行支援 公共交通で実証進む
自動運転対応道路とは、車線の位置や交通状況などの情報を車両に提供して自動運転を支援する道路のことだ。車載センサーで把握できる情報には限りがあるため、車両側だけの技術で完全に自動走行するのは難しい。道路側から周囲の状況を俯瞰(ふかん)的に把握して車両に提供すれば、よりスムーズで安全な走行が可能になる。 路面にマーカーなどを設置して車両の位置をより正確に把握する技術は、既に実証実験が進んでいる。地下
DNPなど、軽商用EVに無線充電機能 公道で実証開始
大日本印刷(DNP)とダイヘン、双日は、3社が共同開発した無線充電できる軽の商用電気自動車(EV)を使い、公道での実証実験を始めたと2023年3月に発表した。無線充電機能を搭載した商用EVが登録の認可を得たのは、国内で初めて。ケーブルを使わずにEVに充電できるようになれば、企業のEV運用に伴うコストや乗員への負荷を減らせる。早ければ2025年までの実用化を目指す。 3社はDNPの無線充電用のシー
Amazon、仮想空間でロボ倉庫設計 BMWはEV工場構築
現実空間の物体や環境を仮想空間に再現した「デジタルツイン」を利用して、最新の大規模施設の設計や構築、検証を行う動きが活発になってきた。先行するのは海外勢だ。米Amazon.com(アマゾン・ドット・コム)は物流施設、ドイツBMWは電気自動車(EV)工場を仮想空間で構築し、生産性向上やコスト削減を図る。 アマゾンやBMWが利用するのは、米NVIDIA(エヌビディア)の産業用メタバース向けツール基盤
セルロースナノファイバー 1兆円市場へマイクロ併用
セルロースナノファイバー(CNF)は、木材などの植物から取れるセルロースを数〜数十nmに微細化して造る繊維である。①鋼の1/5の軽さながら5倍以上の強度を備える、②熱変形が小さい、③表面積が大きい、④透明度が高い、⑤液体にチキソ性(静止状態で固まり、力を加えると流動する)を付加できる、⑥ガスバリア性を有する、といった変幻自在な特性を持つ。日本発の高機能材料として大きな期待を集め、2012年時点で