大成建設、トンネル切り羽での装薬高速化 4割時短
大成建設とアクティオ(東京・中央)は共同で、山岳トンネル工事において、切り羽に開けた孔に爆薬を素早く装填する装置「T-クイックショット」を開発した。リモコンの操作で、切り羽直下に立ち入らず安全に装薬できる。両社が2023年4月5日に発表した。 T-クイックショットは、1台の2tトラックに2台搭載できるコンパクトな装置だ。空気圧縮機や爆薬の格納・供給ホッパー、制御パソコンなどで構成する。T-クイッ
コマツ、建機向け5G遠隔操作システム 23年度量産へ
コマツとその子会社のEARTHBRAIN(アースブレーン、東京・港)は建設機械向け遠隔操作システムを共同で開発し、2023年3月に提供開始した。建設機械に信号を送受信できるソフトウエアを組み込むことで、遠隔地にあるコックピット内で運転席の視点の映像を見ながら操作ができるという。2023年4月14日に発表した。 コマツは遠隔操作信号を機械の操作用信号に変換し伝えるためのソフトウエアおよびコントロー
戸田建設、鋼管同士を機械的に接続 作業時間7割減
戸田建設と構法開発(東京・墨田)、進富(千葉県白井市)は共同で、現場での溶接が不要で作業時間を大幅に短縮できる鋼管矢板の機械式継ぎ手「ボルト式鋼管矢板継手」を開発した。あらかじめ工場で上杭(ぐい)・下杭となる鋼管にそれぞれ枠材を溶接しておく。現場では枠同士を上枠に付けた連結プレートでつなぎ、合芯ボルトで締めるだけで接続が完了する。 作業員1人で上下杭の接続からボルトの締め付けまでを完了できる。所
飛島建設、AIでトンネル切り羽評価 業務負荷を軽減
飛島建設は、会社支給のスマートフォンを用いて山岳トンネルの切り羽をAI(人工知能)で評価するシステム「Auftakt for Tunnel Face(アウフタクトフォートンネルフェイス)」を開発した。補助ツールとして使用することで、切り羽の観察記録の作成業務を大幅に軽減できる。AIによる評価の判断基準も一部、分かるようにした。 同システムでは、会社支給のスマホで撮影した切り羽の写真をクラウドサー
奥村組など、土工管理をICTで自動化 生産性向上
奥村組と戸田建設、西松建設は、3社で共同開発した「データ利活用型ICT土工管理システム」を複数の建設現場に適用し、生産性の向上を実証した。検証したシステムは、日々の土量を管理する「土量管理システム」と、どの場所にどの土を盛ったか記録する「土砂トレーサビリティ管理システム」の2つである。前者のシステムで土量管理の作業時間を従来の20分の1に短縮し、後者のシステムで盛土管理の作業効率を高めた。 土量
西松建設、自律走行するトンネル点検ロボ 省力化
西松建設と佐賀大学都市基盤工学コースの伊藤幸広教授の研究室は共同で、水路トンネルの劣化状況を点検する自律走行式水路調査ロボット「turtle(タートル)」を開発した。同社と長崎大学が以前開発した同じ用途のロボットと比べ、点検に要する時間が長くなった一方で精度が向上した。2023年3月23日に発表した。 水力発電所などの水路トンネルは、延長が数kmに及ぶものがあるうえ、道路が通っておらず内部で移動
太平洋セメント、CO2の9割をセメントに固定 高効率
太平洋セメントは、フレッシュコンクリートに二酸化炭素(CO₂)を効率よく固定するシステム「カーボキャッチ」を開発した。セメントと水を混ぜてスラリー状にしたセメントスラリーにCO₂を供給し、炭酸カルシウムとして固定する。 カーボキャッチでは、CO₂を満たした密閉容器内に、セメントスラリーを投入して循環させる。密閉容器は、セメントとの反応で消費したCO₂と同量のCO₂を随時供給する仕組みを持つ。水セ
「自動運転対応道路」で走行支援 公共交通で実証進む
自動運転対応道路とは、車線の位置や交通状況などの情報を車両に提供して自動運転を支援する道路のことだ。車載センサーで把握できる情報には限りがあるため、車両側だけの技術で完全に自動走行するのは難しい。道路側から周囲の状況を俯瞰(ふかん)的に把握して車両に提供すれば、よりスムーズで安全な走行が可能になる。 路面にマーカーなどを設置して車両の位置をより正確に把握する技術は、既に実証実験が進んでいる。地下
大成建設、トンネルのボーリング調査高速化 時間半減
大成建設は山岳トンネルの先進ボーリング調査において、湧水帯の水量・水圧を測定する装置の設置や回収にかかる時間を従来の半分以下に短縮する技術を開発した。削孔の開始地点からロッドを延ばす代わりに水圧で測定装置を送り込み、測定後はウインチを使って素早く回収する。大成建設が2023年3月16日に発表した。 山岳トンネルの工事では突発湧水のリスクを低減するために、切り羽の前方の地中に向けて小さな穴を開けて
大林組、地下空間を活用する次世代道路 工期短縮実証
大林組は、地下空間を活用する次世代道路構想「ダイバーストリート」の実物大モックアップを構築し、施工性や性能、工期短縮の効果を確認した。従来工法では仮設で使っていた鋼矢板を、本設利用して地下空間を構築することで全体工期を約18%短縮できた。モックアップは同社技術研究所(東京都清瀬市)内の実証フィールドに構築した。 プレキャストコンクリート(PCa)ボックスカルバートを使った従来工法で地下空間を構築