イエレン氏、米議会に債務上限問題への対応を強く訴え
イエレン米財務長官が7日、米議会が連邦政府の債務上限を引き上げなければ「憲法上の危機」を招き、経済や金融が破綻しかねないと警鐘を鳴らした。連邦政府はこのままでは新たな借り入れができず、資金繰りに行き詰まる恐れが出ている。 債務上限の引き上げを巡ってはホワイトハウスと野党・共和党が対立し、膠着状態に陥っている。イエレン氏は早ければ6月1日にも政府資金が枯渇する恐れがあると述べてきた。バイデン大統領
メディアの嘘は民主主義を脅かす マーティン・ウルフ
ルパート・マードック氏とその長男ラクラン・マードック氏が率いる米フォックス・コーポレーションと、傘下の報道局「FOXニュース」は4月、投票機メーカーのドミニオン・ボーティング・システムズに対する名誉毀損で16億ドル(約2200億円)の損害賠償を求められていた件について、7億8750万ドルを支払って和解した。 ドミニオンの代理人を務めたジャスティン・ネルソン弁護士は「真実の重要性」と「嘘の報い」が
米スペースXの大型ロケット、採算性が難点に
今から18年前の2005年4月、欧州エアバスが開発した世界最大のジェット旅客機「A380」が初飛行した。就航するとA380は多数の旅客アンケートでライバル機を引き離して高評価を得た。超大型機が満席になることがまずなく、人気の理由はエコノミークラスの乗客も長旅で体を伸ばせるからだという冗談が航空業界に広まった。最終的には航空会社からの受注が振るわず、19年に生産終了が発表された。 米起業家のイーロ
バイデン米政権とポスト新自由主義
株主重視に象徴される「ポスト新自由主義」に対するバイデン米政権の姿勢について、グローバル・ビジネス・コラムニストのラナ・フォルーハーが解説します。バイデン大統領は新自由主義の時代
JPモルガンCEO、FRC買収に見いだす商機
米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)にとって、米国史上2番目の規模となる銀行破綻は、長らくライバル勢の後塵(こうじん)を拝してきたウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)事業で巻き返しを図る絶好の機会となった。 JPモルガンはすでに、投資銀行業やリテールバンキング、富裕層向けのプライベートバンキングで圧倒的な強さを誇るが、米国で富裕層が急増するなか、ますます
FRB、0.25%追加利上げを決定 引き締め停止を示唆
米連邦準備理事会(FRB)は3日、政策金利を0.25%引き上げることを決めた。1年強で10回連続の利上げとなるが、積極的な金融引き締めは近く停止する可能性も示唆した。 米連邦公開市場委員会(FOMC)での今回の決定は全会一致だった。誘導目標であるFF(フェデラル・ファンド)金利の新たな水準は5〜5.25%となり、2007年半ば以降で最も高い水準となる。 3月の声明から政策運営の表現を変更 2日間
米ディズニーとフロリダ州知事、言論の自由巡り法廷闘争
米ウォルト・ディズニーがフロリダ州のロン・デサンティス知事を連邦地方裁判所に提訴した。この裁判の最初の舞台となるのは、知事が制定した「子供と従業員への不正を阻止する法律(Stop WOKE Act)」について昨年、別の裁判で「まさにディストピア(暗黒世界)だ」と批判したマーク・ウォーカー判事の法廷だ。 ウォーカー判事は今回の裁判で、デサンティス氏の「ウォークな(社会的正義に目覚めた)ディズニー」
米当局、FRC破綻でSVBと対応に差 リスク判断が背景
4月30日夜の米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)の経営破綻は、3月10日のシリコンバレーバンク(SVB)の破綻が伏線となったが、今回の破綻処理で規制当局はかなり異なる姿勢を取った。 3月にSVBが破綻した際、処理にあたる公的機関の米連邦預金保険公社(FDIC)は引受先についてめどが立つ前の時点で、営業日の日中にSVBを事業停止とした。その結果、SVB売却を取りまとめるまでの2週間余
JPモルガン、ファースト・リパブリック買収 当局仲介
米銀大手JPモルガンチェースは、米地銀ファースト・リパブリック・バンク(FRC)の大部分を買収する。米規制当局が追い詰められたカリフォルニア州を地盤とするRBCを閉鎖する徹夜の決着を調整していた。株主は全損になる。米国の歴史で2番目に大きな銀行破綻となった。 米連邦預金保険公社(FDIC)とカリフォルニア州当局は1日早朝、銀行の閉鎖と同時に935億ドル(約12兆8000億円)の全ての預金と大半の
バフェット氏の腹心、米銀の不動産ローン不良債権に警告
米投資会社バークシャー・ハザウェイのチャーリー・マンガー副会長が米国の商業用不動産市場に迫りくる嵐に警鐘を鳴らした。不動産価格が下落するなか、米銀が「不良債権」を大量に抱えているためだ。 99歳の投資家で大富豪のウォーレン・バフェット氏の腹心であるマンガー氏の発言の背景には、一部の銀行の経営破綻を受けて商業用不動産が暴落する懸念が強まり、米国の金融システムに混乱が広がっていることがある。 マンガ