無名のインド企業、ロシア産石油を大量輸送
インド西部ムンバイのさびれたショッピングモールから、巨大な石油輸送会社がわずか18カ月の間に出現した。 ロシアによるウクライナ侵攻以降、この会社は誰よりも多数の石油タンカーを購入し、無名だった会社を世界有数のタンカー所有者に押し上げた。 「ガティック・シップ・マネジメント」は2021年にはたった2隻のケミカルタンカーしか保有していなかった。英調査会社ベッセルズ・バリューによると、22年4月以降に
マレーシアの5G、ファーウェイ採用の可能性に欧米が警告
マレーシア政府が高速通信規格「5G」の導入に向けた通信インフラの整備で、中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)の技術を採用する可能性が出てきた。これに対し、欧州連合(EU)と米国が国家安全保障や外国投資上のリスクが大きいと警鐘を鳴らしている。 マレーシア政府は2021年、110億リンギット(約3400億円)規模の5Gネットワーク整備計画の入札で、国営企業のパートナーにスウェーデンの通信機器
トルコ大統領選 野党統一候補、打倒「独裁」に自信
トルコ大統領選挙の野党統一候補クルチダルオール氏は、国家体制を立て直し、独裁色を強めているエルドアン現大統領による支配を転換すると訴えている。選挙をエルドアン氏が「盗む」のは許さないとの決意も示した。 クルチダルオール氏は74歳になる元官僚で、過去13年にわたりトルコの主要野党である共和人民党(CHP)の党首を務めてきた。同氏はフィナンシャル・タイムズ(FT)に対し、5月14日実施の選挙の公正さ
シンガポール、米国と防衛関係を強化 中国と経済密接も
シンガポールのリー・シェンロン首相は、世界のほとんどの首脳ができない、あるいはやりたがらないことをやってのけた。中国を訪問し、公の場で米国主導の新たなアジア経済圏構想をたたえたのだ。 「アジアは常に開かれた地域であるべきだ。域内協力を発展させる一方で、我々は欧米など他地域との関係も育んでいく必要がある」。中国・海南省で開かれた「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」でリー氏は発言した。 中国の国際会議
インド「人口最多」に口重く ジョン・リード
人口動態の節目が歴史上、これほど重大な意味を持つことはめったにない。インドは現在、ほぼ間違いなく、隣国で地政学的なライバルでもある中国を追い抜き、人口が世界最多の国になった。 国連人口基金(UNFPA)は4月19日、長年予想されてきたアジアの二大大国の人口逆転が今年半ばに起きることを確認し、インドの人口が14億2800万人を超え、中国を約300万人上回ると予想した。 24日には、国連の別の組織で
北朝鮮輸出の巧妙な手口、英たばこ企業の制裁違反
2017年夏、米国と国連による北朝鮮への制裁が強化される中、英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)のシンガポール子会社で、社員の一人が北朝鮮大使館にたばこを送り続けていることをどうやって隠すか思案していた。 その社員は現地の卸売業者の担当者にメールで、発注書の北朝鮮と記された部分を全て抹消するよう指示した。業者側は顧客を「コリア大使館」とすることを提案したが、結局、北朝鮮大使館
米国と合同演習、フィリピン離島が台湾有事の最前線に
23日(日曜)の正午少し前、フィリピン北部の沖合に浮かぶバタン島の青々とした尾根の上を、ティルトローター輸送機「オスプレイ」4機が轟音(ごうおん)を立てて飛んだ。 「来るぞ」。島に住むユージーンさんはタイド灯台の小さな店で土産物を売っていた妻のヒルダさんに向かってこう叫び、静かな太平洋沿岸に軍用機が到来し、世界的大国の競争がやってくるところを見ておくように言った。 先週末、バタン島は軍事演習の舞
ケニアでゾウが危機に、深まる人間と野生動物の対立
アフリカ東部に生息する地面に届くほど巨大なキバを持つゾウ「スーパータスカー」。わずかに生き残る1頭だった「トルストイ」は、キリマンジャロの周囲の草原地帯で50年間も生活を送ってきた。しかし2022年、作物を守ろうとする農民に槍(やり)で突かれて命を落とした。 「こうした事例は増えている」。生物圏保護区に指定されているアンボセリ国立公園の自然保護官、ダウディー・ニナイさんは、ゾウの死骸を見下ろしな
汚職疑惑のエクアドル大統領、議会と徹底抗戦の構え
エクアドルのラソ大統領は、自らが弾劾されそうになれば、議会を解散し、前倒し総選挙に乗り出す構えを示した。焦点の汚職疑惑については、政治的ライバルにぬれぎぬを着せられたと主張している。 近年の中南米の大統領としては珍しく、ラソ氏は投資誘致に積極的だ。もともと治安の安定していた同国で違法薬物の取引に関連した殺人が急増し、左派が過半数を占める議会から繰り返し失脚させられそうになりながら、その度に跳ね返
ブラジル 「金の違法取引撲滅、国際的な取り組みを」
世界各国の政府は金の輸入をより厳しく管理する必要があり、アマゾン地域から貴金属を密輸入している企業は罰せられるべきである――。ブラジル政府は訴える。 取り締まりは新政権の優先課題 ブラジル初の先住民相に就任したソニア・グアジャジャラ氏(49)は、1月に発足した左派のルラ政権が優先的に取り組むべき課題としてあげた違法な金採掘の取り締まりに向けた外国政府や産業界からのさらなる支援を呼びかけた。 ブ