AIの発展には「超知的」な規制が必要だ(社説)
強力な人工知能(AI)システムは社会に大きな便益をもたらし、世界最大の問題のいくつかに対処する力になりうる。機械学習モデルはすでに病気の診断や科学的研究の促進、経済の生産性向上において重要な役割を担っている。また、電力網で電力の流れを最適化することによって、電力消費の削減にも役立っている。 AIに対する否定的反応が生じた結果、こうした便益が得られなくなるとすれば、それは悲劇だ。だが、そのリスクが
航空運賃、インフレ超える高騰 エアライン需要取り込み
航空運賃がインフレ率の2倍以上高くなっており、航空会社は実体経済への広範な逆風に反して旅行需要の増大を取り込んでいる。 英航空情報会社シリウムのデータをフィナンシャル・タイムズ(FT)が分析したところ、600以上の世界的な主要路線の航空チケットの平均価格は、利用可能な最新のデータである2月分で前年同月に比べ27.4%上昇。15カ月連続で2桁の伸びを記録した。 これに対し、先進国・地域での国際的な
AIが金融界にもたらす3つのリスク ジリアン・テット
この何十年、金融界では「フェドスピーク(Fedspeak)」と呼ばれる現象が続いてきた。つまり、米連邦準備理事会(FRB)のメンバーが発言するたびに、エコノミスト(そしてジャーナリスト)らがそのコメントを急いで解析し、トレーダーらはそれらを受け市場での賭けに出てきた。 パウエル議長のコメントの分析もAIの方が優れている? しかし、米リッチモンド地区連銀のエコノミストらが正しければ、この慣習は早晩
米中関係、恐ろしい時代突入 マーティン・ウルフ
米国と中国の関係は21世紀における人類の運命を決定付けるかもしれない。平和、繁栄、そして地球環境の保全を実現できるのか、それともその逆になるのか。 後者の場合、未来の歴史家(存在するようなら)は間違いなく人類が自らの愚かさから身を守れなかったと驚嘆するに違いない。 だが幸いなことに、現時点で最悪の事態を阻止するために行動できる余地が残っている。多くの分野でいえることだが、その1つが経済である。厳
「強い金」が物語る米ドル基軸の揺らぎ
大多数の専門家は、いくらドル安になっても、米ドルの基軸通貨としての地位が揺らぐことはないとみている。「他に選択肢がない」という見方がその根拠だ。そうかもしれない。しかし、躍起になってドルの代わりを探している国にそうは言わない方が良い。そんな慢心は、他の選択肢の模索を勢いづけることになる。 その典型例が、ここ6カ月間で20%値上がりした金(ゴールド)だ。従来なら、インフレ、低金利のなかで、個人から
「従順なAI」維持、世代的課題 ジョン・ソーンヒル
英国の数学者アービング・ジョン・グッド氏はコンピューターが人類を超越したときに何が起こるか、いち早く推測した。 ある日、人類がすさまじい知的能力を備えたマシンを作り、その機械自身がさらに知能を持った機械を設計し「知性の爆発」を起こすだろうと、同氏はつづった。「最初の超知能マシンは人類が作る必要のある最後の発明だ。マシンが十分に従順であれば、それをコントロールする方法も教えてくれる」 万能AI、も
「未来の金利」まだ解けぬ難問 マーティン・ウルフ
インフレの再来は、中央銀行の当局者を含む多くの人々を驚かせた。それに伴い、名目金利が上昇した。こうした予想外の動きは、銀行業界に「ミニショック」などをもたらした。 問題は「次に何が起きるか」だ。インフレは新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の極端に低い水準に落ち着くのか、それとも1970年代や80年代初めのように継続的な問題になるのだろうか。そして、金利はどうなるのか。 英金融大手
脱炭素「しくじり」目立つ ピリタ・クラーク
環境保護にまつわる企業の悪しき行動は奇妙な変遷を遂げてきた。最初に出てきたのは、企業が実際より環境対策に取り組んでいるようにみせる「グリーンウオッシング」だった。 次に、グリーンウオッシングをしていると批判されないように、口をつぐんで実際より環境に配慮していないふりをする「グリーンハッシング」があった。 そして今、「グリーンボッチング」(ボッチはしくじるの意)とも言えそうなことが起きている。善意
生成AIに追われる会計士 代替には時間(Lex)
表計算ソフトを操作する人は、米マイクロソフトの「Excel(エクセル)」の腕前を自慢する利権を保つよう努力している。「VLOOKUP関数(エクセル関数の一つで、表から条件に合うものを探す)」を知っていれば、尊敬されるという時代は終わった。 もっと悪いことが起こるかもしれない。人工知能(AI)によって、表計算のスキルがまったく不要になるかもしれない。 これは、財務データのスペシャリストの背筋を凍ら
世界経済、数年間は低成長に直面 IMF専務理事が警鐘
国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエバ専務理事は6日、世界経済が数年にわたる低成長に直面し、中期的な経済見通しとしては30年以上の中で最も弱いと警鐘を鳴らした。 ゲオルギエバ氏は来週開催されるIMFと世界銀行の春季総会を前に米ワシントンで講演し、世界経済は今後5年間にわたって年平均3%前後で成長するとの見解を示した。 この水準は、過去20年間の3.8%という平均予測を大幅に下回り、1