高級ブランド品、熱狂どこまで LVMHは株価も輝く
仏パリの代表的な高級ブランド品のショッピングスポット、老舗百貨店「サマリテーヌ」にあるルイ・ヴィトンの店を見て回りながら、シャロン・ウォンさんは自分へのご褒美を買おうとしていた。 「高いけれど、何カ月か前から考えていた」。英ロンドンでマーケティングマネジャーとして働く30代のウォンさんは、小ぶりの四角いバッグ「プティット・サックプラ」を手に取って見ていた。値段は1500ユーロ(約22万円)ほどだ
フランス原発、採用難で「衰退論」も 政府の対応課題
「要求が変わった」 EDFと同社のサプライヤーが経営の立て直しを急ぐなか、次の課題が目の前に待ち受けている。フランスの原子力規制機関、原子力安全局(ASN)によると、これに取り組むには第2次世界大戦後の米国による欧州復興計画「マーシャルプラン」に似たような対策が必要になる。 原子力産業で約22万人を雇用しているフランスは、新たな原発建設計画のために熟練労働者の厚い層を再構築しなければならない。こ
フランス、原発新設計画に苦闘 人材不足6年10万人
ゲイタン・ジェフレイさんはクレーンを生産する会社で金属加工を学ぶまで、10年間、左官やペンキ職人として働いていた。アルノー・デュプイさんは警察官だった。仏ブルゴーニュ地方の奥深くに立つ工場の3人目の同僚は、かつてパン職人だった。 工場を所有しているのは仏電力公社EDFの子会社フラマトムで、3人はフランスで引く手あまたの職である原子炉分野の溶接工として認められることを期待している。すべてがうまくい
Apple 、金融事業拡大へ iPhoneの個人情報活用
米アップルは金融や決済サービスに関しては長期戦の構えで、今は市場シェアを高めるために技術的な基礎作りをしている段階だと3人の元社員は話した。 【関連記事】Appleは銀行の牙城を崩すのか 例えば、社内で「プロジェクト・ミュアフィールド」と呼ぶ計画には数年を費やした。iPhoneで代金の支払いだけでなく、受け取りもできる機能を開発する取り組みで、22年2月にひっそりと発表された。報道資料には「タッ
Appleは銀行の牙城を崩すのか
2019年、何カ月にもわたる大変な作業を経て、米アップルと米金融大手ゴールドマン・サックスの幹部らは「アップルカード」の新サービスの発表に向けて、追い込みに入っていた。スマートフォン「iPhone」のメーカーであるアップルにとって、野望に満ちた金融サービスでの新規事業だった。 サービス開始が迫る中で、両社はある問題に直面した。顧客に独自の価値を提供する企業というイメージを前面に出して大々的な宣伝
EU、農業の環境負荷削減に躍起 骨抜き図る加盟国
政策当局としては、農産物の生産拡大を抑えたいのが狙いなのかもしれない。農学者らは、欧州の一部地域は過剰に耕作されていると話す。2021年には、欧州連合(EU)は1970億ユーロ(約25兆円、当時)相当の農産物を中国などの国々に輸出する一方、1500億ユーロ相当を輸入し、470億ユーロの黒字を記録した。 【関連記事】欧州の農家、厳格なEU脱炭素政策に反旗 オランダの農業経済学者のクライン・ポッパ氏は
欧州の農家、厳格なEU脱炭素政策に反旗
タキス・カザナスさん(66)の農場の納屋と搾乳小屋の背後には、テッサリア平原を見下ろす雄大な山がそびえる。 ギリシャ北部のこの広大な緑地では数千年にわたって牛が育てられてきたが、欧州連合(EU)の規制当局は今、カザナスさんの酪農場のような農場を製鉄所や化学品工場のような「工場」として扱うルールの制定について議論している。 こうしたルールが施行されたら、カザナスさんが4人の息子とともに300頭の畜
債務再編、ザンビア巡る中国と西側の駆け引き
「破産国家」における債務再編の現状については、ザンビアが好例となる。国際通貨基金(IMF)が2022年、プログラムの策定に際して算定した対外債務約200億ドル(約2兆6700億円)のうち、27億ドルは国際開発銀行、13億ドルは西側の各国政府による融資だった。銀行融資は16億ドル、非居住者が保有する自国通貨クワチャ建ての国債とドル建て国債がともに33億ドルだった。だが、最も多いのは中国からの借り入
中国が変えた「破産国家」の債務再編
2020年10月、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で悪化した経済・金融危機からの立ち直りに苦闘するアフリカ南部のザンビアは、外貨建て国債の利払いに行き詰まった。それから2年半たった今もなお、ザンビアは債務316億ドル(約4兆1800億円)の大部分においてデフォルト(債務不履行)を解消できず、苦境に立たされ続けている。 脆弱な貧困国が長い間、債権者と話をつけて危機から抜け出すことが
二極化する商業不動産 環境対応が浮沈のカギ
市場環境が悪化した場合、真っ先に損失を被るのは、条件の悪いオフィスビルの所有者だ。米不動産投資大手PGIMリアルエステートのアマビレ氏は、不人気不動産のオーナーはオフィス需要の減退と建設・維持管理費の上昇、買い手や資金の貸し手の減少、そして支払利息の増加が重なる「パーフェクトストーム(最悪の事態)」に直面するという。 スイスUBSの不動産ストラテジスト、ザッカリー・ゲイジ氏は「これは本当の座礁資