英ボーダフォン新CEO、企業規模の適正化が課題(Lex)
英通信大手ボーダフォンは、現実が正しく見えていないような危険を冒している。4カ月の選考過程を経て、新たな最高経営責任者(CEO)を社内から登用した。前最高財務責任者(CFO)のマルゲリータ・デラ・バレ氏のCEO就任は、同社の運命を変えてくれる外部の魔法を期待していた投資家を失望させるだろう。デラ・バレ氏が成功するためには、いくつかの難しい決断を下す必要がある。 ボーダフォンの課題はよく知られてい
メタ、仮想現実よりAI投資の方が有望(Lex)
米メタの仮想現実(VR)事業である「リアリティー・ラブズ」は、まるでスタートアップ企業のように派手な支出をしている。だが残念ながら、それに見合う10倍の成長は実現できていない。メタの今年1〜3月の研究開発支出は90億ドル超と売上高の33%を占め、米アルファベットや同マイクロソフトの2倍に上る。 昨年のテクノロジー株の売り浴びせをきっかけに、テック業界で記録的な人員削減を含むコストカットが行われた
クレディ・スイス、投資銀行部門に厳しい目(Lex)
中南米に生息する大型ヘビ、ボアコンストリクターは大きな獲物を飲み込むのに適応しているが、銀行は違う。スイス政府から金融大手クレディ・スイスの買収を急きょ求められたUBSの苦悩は、買収相手からの預金流出によってさらに大きくなりそうだ。 クレディ・スイスの顧客は2023年第1四半期に612億スイスフラン(約9兆2000億円)の資産を引き揚げた。22年第4四半期には1105億スイスフランが流出していた
AIを使った「HRテック」は職場を変えるか(Lex)
従業員は長年、上司からの不当な扱いに不満を抱いてきた。だが、近いうちに上司ではなくコンピューターから同じような不当な扱いを受けることに慣れる必要があるかもしれない。一部の分野ではすでに雇用や解雇の決定に人工知能(AI)を利用している。労働組合は懸念を深めているが、スイスのアデコや米マンパワーグループ、オランダのランスタッドなどのような人材大手も同じような状況だ。 かつて人事におけるAIの役割は、
米製薬メルク、大型薬の特許切れ控え大きな賭け(Lex)
米製薬大手メルクでは、カレンダーの2028年に丸印がつけられている。米東部ニュージャージー州に本社がある同社の株価はここ5年で2倍になり、S&P500種株価指数の上昇率を大幅に上回っている。 触媒となったのが、昨年のメルクによる売上高約600億ドル(約8兆円)のうち3分の1を稼ぎ出したがん免疫治療薬「キイトルーダ」だ。しかし5年後には特許が切れる。 米バイオ企業の買収を発表 未来は今だ。メルクは
米ゴールドマン、日本で企業の資金管理業務に参入(Lex)
確かに投資銀行業務のような華やかさはないかもしれない。しかし、だからといって米金融大手ゴールドマン・サックスが日本で資金管理や送金などを一元的に受託する「トランザクションバンキング」業務に参入する上での妨げとはならない。たとえ日本の銀行業務の成長力が弱いとしても、こうしたサービスはアジアで同社の最も安定した収入源の一つになる可能性がある。 これは最初の一歩と捉えた方がいい。ゴールドマンは日本国内
生成AIに追われる会計士 代替には時間(Lex)
表計算ソフトを操作する人は、米マイクロソフトの「Excel(エクセル)」の腕前を自慢する利権を保つよう努力している。「VLOOKUP関数(エクセル関数の一つで、表から条件に合うものを探す)」を知っていれば、尊敬されるという時代は終わった。 もっと悪いことが起こるかもしれない。人工知能(AI)によって、表計算のスキルがまったく不要になるかもしれない。 これは、財務データのスペシャリストの背筋を凍ら
個人投資家は英株式市場を救えるか(Lex)
個人投資家はロンドンの資本市場を救えるのだろうか。英国の元財務相で、かつては本コラムを執筆した故ナイジェル・ローソン氏は、サッチャー政権時代に個人の株式投資を奨励した。 今、ロンドンの金融街シティーのサポーターは再び個人投資家を呼び込もうとしている。個人投資家が公募増資などに参加できるプラットフォームを運営する英プライマリービッドや同レックスはすでにその準備を整えている。 歴史的に見て、個人投資
OPECプラス減産、米シェール企業にもメリット(Lex)
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は、新しいのは包装紙だけで、実質的にはなにひとつ新しいところはない「改良新製品」の類いといえる。サウジアラビアやイラクなどOPECプラスの一部の産油国による日量110万バレル超の追加減産決定は、昔ながらのパニックじみた行動にもみえる。OPECプラスは2022年11月に同200万バレルの減産を決めたばかりだ。この動きは
米新興EVニコラ、株価急落で増資 資金調達急務(Lex)
金利の上昇と資本集約型企業は相性がよくない。 例えば米新興電気自動車(EV)メーカーのニコラは、かつてSPAC(特別買収目的会社)から引く手あまただった。しかし、同社の時価総額は、3年前につけた過去最高の290億ドル(約3.2兆円、当時)近くから現在では7億ドル(925億円)未満に縮小している。 坂道を転がして撮影したプロモーションビデオなど、自社の技術について虚偽の主張をしたことがニコラの評判