北国FHD、中長期戦略発表 地域通貨や投資助言も重点
北国フィナンシャルホールディングス(FHD)は8日、7本柱の重点ビジネス領域で収益拡大を狙う「中長期経営戦略2023」を発表した。これまでのカード、融資・リース、コンサルティングにデジタル地域通貨、投資助言、投資ファンド、市場運用を加えた。5日に石川県珠洲市などを襲った地震にも触れ、同市での地域通貨プロジェクトは予定通りのスケジュールで実施するとした。

経営戦略の特徴は重点ビジネス領域の拡大だ。同事業収益を5年後に498億円と23年3月期より110億円の上乗せを目指す。配当と自己株式取得をあわせた総還元性向を50%以上にする。北国FHDの杖村修司社長は「26年3月までを新しいビジネスモデル確立の集中期間とする」と話した。

地震関連では、傘下の北国銀行が被害に遭った顧客の預金払い戻しなどに柔軟に対応する。北国FHDは23年4月に、珠洲市でのデジタル通貨プロジェクトを発表したばかり。杖村社長は、地震によってプロジェクトの進行が遅れることはないだろうとした。
8日発表の23年3月期連結決算は、純利益が前の期比7%減の87億円。外貨金利の上昇で外貨調達コストが増えた。北国銀行の取引先であるユニゾホールディングス(東京・港)が東京地裁に民事再生手続きの開始を申し立てたのに伴い、担保などで保全されていない約15億円を引き当てた。
24年3月期の純利益は110億円の見通し。政策保有株式の削減など取り組みの効果を見込む。配当予想は10円増配の110円を予定する。
地方銀行や信用組合、信用金庫の最新ニュースをまとめました。人口減少が進む地方で経営統合による経営力強化や新規事業、地方企業育成などを進める各金融機関の最新ニュースや解説をお届けします。