豊田自動織機社長に伊藤浩一氏 大西社長は副会長に
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豊田自動織機は27日、伊藤浩一経営役員(59)が社長に就く人事を発表した。大西朗社長(65)は代表権のある副会長となる。6月9日開催予定の定時株主総会を経て正式決定する。社長交代は10年ぶり。同社はフォークリフト向けエンジンの排ガス性能試験でデータ不正が発覚しているが、社長交代との「関連は無い」(大西社長)とした。
豊田自動織機はデータ不正の発覚で、ディーゼルエンジン2種について生産に必要な認証「型式指定」を取り消す行政処分を受けている。27日開いた記者会見で、この時期に社長交代する理由として大西社長は「若返りのため」と説明。伊藤氏については「判断力が自分より上だ」などと話した。豊田鐵郎会長は留任する。
大西社長は性能試験の不正問題を受けた今後の対応については「我々の犯した過ちに対して特別調査委員会で客観的な調査をしてもらう」とした。
伊藤氏も不正問題に触れて「経営資源も充てながら、もう一度コンプライアンス(法令順守)に関する体制をやり直すことが大前提となる」とした上で、「電動化に向けて私たちが貢献できる分野をもう一度強くしていくということも直面する課題の一つだ」と述べた。
伊藤 浩一氏(いとう・こういち)86年(昭61年)早大政経卒、丸紅入社。98年豊田自動織機製作所(現豊田自動織機)入社、19年経営役員。岐阜県出身。