[社説]セブン50年の成果と課題 - 日本経済新聞
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[社説]セブン50年の成果と課題

コンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンが設立から50年を迎える。コンビニが食生活を中心に消費をけん引し、社会インフラとしての役割を果たしてきたのは間違いない。

一方で、頻度の高い配送やコンビニオーナーの労働負担の軽減、食品の廃棄物問題など経営課題も多い。セブン50年を機会に、業界を挙げて課題解決に取り組んでほしい。

今では当たり前のコンビニだが、様々な常識を破りながら成長してきた。大型スーパーがようやく広がり始めた50年前に、セブンは「消費者はより便利さを求める」との見通しからあえて小型のコンビニを積極的に出店した。

同時に家で作るのが当たり前だったおにぎりや弁当の販売、公共料金の支払い、銀行業務などを手掛け、コンビニの社会インフラ化を推進。横並び経営から一線を画したスタンスがセブンイレブンの競争力を高めた。

すでにコンビニは国内で5万店を超え、年間の来店客数は150億人に達している。国内市場には飽和感が生まれている。今後は海外に成長可能性を探り、国内では環境に優しい持続可能性を求める時期と位置づけられる。

一つが働き方だ。人手不足感が強まり、加盟店オーナーの労働負担が増えているケースが目立つ。レジのセルフ化、人工知能(AI)を駆使した受発注業務の効率化などに加え、本格的な無人店舗の拡大なども急ぐべきだ。

コンビニの便利さを支えてきた物流の見直しも欠かせない。ローソンが2024年3月までに弁当や総菜の配送を1日3回から2回に減らすほか、セブンやファミリーマートも効率的な配送ルートづくりを進めている。

このほか食品廃棄や二酸化炭素(CO2)の削減など課題は山積している。今後セブンを中心にグローバル化が進み、日本の店作りが世界のコンビニの基準になる見通しだ。次の50年に向けた持続的な成長モデルを構築してほしい。

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