岸田首相の記者会見要旨「グローバルサウスと橋渡し」
岸田文雄首相のモザンビークでの記者会見要旨は次の通り。
【冒頭】
グローバルサウス(南半球を中心とする新興・途上国)の多くは食料品高やエネルギー高に苦しんでいる。日本に求められているのは目に見える形での主要7カ国(G7)による積極的な協力を示し、G7とグローバルサウスの橋渡しを行い、法の支配を貫徹することだ。
今回の訪問で法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化の重要性や、力による一方的な現状変更の試みは認められないことなどを確認した。
戦闘が続くスーダンについても議論した。不安定な情勢は地域の安定に悪影響を及ぼしかねない。事態の沈静化や民政移管プロセスの再開、秩序の回復に向け、引き続き各国と連携していく。
世界中で繰り広げてきた外交の成果をG7首脳会議(広島サミット)での議論の糧にし、G7の結束やグローバルサウスとの連携の強化につなげていく。
5月8日から新型コロナウイルスを感染症法上の5類に移行する。経済再生に向けて明るい話題が増えている。日本経済を一段高い成長経路に乗せる。オミクロン型と大きく病原性が異なる変異型の出現などの状況になれば対策を迅速に実施する。
【質疑】
――今回のアフリカ訪問をG7広島サミットでの協議にどうつなげますか。
日本として各国の抱える多様な課題に耳を傾け、その解決に向けて協力していく姿勢を示すことができた。日本とアフリカは援助する国・援助される国という関係ではなく、ともに成長するパートナーだ。G7広島サミットでは各国からいただいた声を届け、グローバルサウスへの関与の強化を具体的に示す。
――日中首脳による往来の考えはありますか。
中国とは首脳レベルを含めあらゆるレベルで緊密に意思疎通を行っていくことで一致している。具体的なハイレベル往来については現時点では何ら決まっていない。
――衆院解散・総選挙についての考えは。
重要な政策課題の結果を出すことに全力を尽くしているところであり、いまは解散・総選挙は考えていない。
――中国やロシアとアフリカとの関係をどうみていますか。
中国やロシアもそれぞれ関与してきている。今回の訪問で食料危機などアフリカの国々が直面する課題への具体的な支援を各国の首脳に説明した。透明で公正な開発金融の重要性も話し合った。日本は人への投資や成長の質を重視するきめ細やかなアプローチで関係を一層深化させていきたい。
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