アサヒ、ビール再値上げ スーパードライ缶は減税反映
アサヒビールは25日、ビールや第三のビールなど酒類307品目を値上げすると発表した。原材料高を受け、10月1日から卸向けの出荷価格を改定する。他のビール大手も追随する可能性がある。
2022年10月以来、1年ぶりの再値上げとなる。対象は主力ビール「アサヒスーパードライ」の業務用の瓶や樽(たる)、第三のビール「クリアアサヒ」の樽、発泡酒、焼酎、輸入ワインなど。
主力ブランドの値上げは見送る。10月に控える酒税改正では、350ミリリットルあたりビールが6.65円の減税、第三のビールが同9.19円の増税になる。減税で、「アサヒスーパードライ」の350ミリリットル缶は店頭想定価格231円前後から6円程度下がる見通しだ。蓋が全開になるフルオープン缶を採用したビール「生ジョッキ缶」の店頭想定価格は変わらない見込み。
ビール大手は大麦やアルミなど原材料高に苦しむ。アサヒグループホールディングス(GHD)は23年12月期、原料高で前期比1000億円程度のコスト増を見込んでいる。キリンホールディングスも今期は500億〜550億円のコスト増を見込む。前回の値上げ時には、最初に発表したアサヒビールをはじめ大手4社が値上げを打ち出した。
キリンビールは「現時点で決まったことはない」としながらも「現在も原材料などの高騰が続いており、状況を注視しながら適宜検討している」とコメントした。
原材料価格や物流費の高騰を受け、食品・サービスなど幅広い分野で値上げの動きが広がっています。最新の記事をまとめました。