韓国大統領「歴史より未来の協力」 日韓首脳会談 - 日本経済新聞
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韓国大統領「歴史より未来の協力」 日韓首脳会談

(更新)

【ソウル=小林恵理香】韓国を訪問中の岸田文雄首相は7日、ソウルの韓国大統領府で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談した。日韓や日米韓の安全保障協力などを議論する。首脳同士が互いの国を訪問し合う「シャトル外交」が再始動した。

韓国大統領府によると、まず少人数で約40分間会談した。

その後の拡大会合の冒頭、尹氏は「東京で首脳会談を開催してから2カ月もたたないうちに、韓国と日本の関係も本格的な改善がはっきりとあらわれている」と述べた。「両国の歴史問題が完全に整理されない限り、未来の協力に一歩も踏み出せないという認識から抜け出さないといけない」と唱えた。

首相は「対話がダイナミックに動き出している」と語り「2国間関係の進展について意見を交わしたい」と答えた。19〜21日に広島で開く主要7カ国首脳会議(G7サミット)に言及し「サミットを見据え、北朝鮮を含むインド太平洋地域の最新情勢やグローバルな課題の連携についても議論したい」と呼びかけた。

首相は7日午前、政府専用機で羽田空港を出発した。同日昼にソウルに到着し、国立墓地の国立ソウル顕忠院を訪れた。首脳会談後、尹氏とそろって記者会見し成果を発表する。8日には韓日議員連盟の議員や韓国の経済関係者と面会を予定している。

首相の訪韓により元徴用工問題などで冷え込んだ日韓関係の改善機運を国内外に示す。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮への対応や半導体といった重要物資のサプライチェーン(供給網)の強化策を話し合う。

首相は7日午前、羽田空港に向かう前に公邸で記者団に「尹氏と信頼関係に基づき率直な意見交換をしたい」と述べた。

G7サミットに尹氏を招待していることを踏まえ、国際・地域情勢についても議論すると話した。「日韓の対話の流れを一層発展させる」と強調した。

石川県能登地方で5日に発生した地震をめぐり「政府として警戒感を持って状況を注視する。地元と緊密に連携を取る」と説明した。首相は地震の状況を見極めて訪韓する考えを示していた。

日本の首相の訪韓は2018年2月に安倍晋三首相が平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式に参加して以来5年ぶりとなる。

シャトル外交は年に1回ずつ両首脳が互いの国を訪れる形式で04年に始まった。11年12月に当時の李明博(イ・ミョンバク)大統領が来日し、野田佳彦首相と会って以来滞っていた。

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