経済学などを専門とする学者や有識者が内外の論文やデータを紹介しながら、学術的な視点から経済の動きをわかりやすく解説します。
2020年末から21年にかけて、中国IT(情報技術)企業に対し独占禁止法規制の嵐が吹き荒れた。
21年4月、アリババ集団が自社のモール出店者に競合他社への出店を…続き
中国では習近平(シー・ジンピン)体制が3期目に入り、従来よりも民間企業の経営の自由度は狭まっているとの指摘がある。その一方で、中国企業のイノベーション(技術革新)力の進展はなおも活発であり、…続き
コロナ禍では医療資源や医療崩壊といった言葉が連日メディアをにぎわせた。「限りある医療資源の最適配分」は医療経済学の基礎をなす考え方だ。ここでの医療資源にはモノ以外の要素、…続き
3年間続いたコロナ禍は医療提供体制に次々と難題を突き付けた。医療のデジタルトランスフォーメーション(DX)の遅れや、巨額の補助金を受け取りながら診療協力しない「幽霊病床」の問題を含めて、様々な課題が…続き
新型コロナウイルス感染症の流行が始まって3年、水際対策、まん延防止措置、補助金の交付などが実施され、その経験を生かして感染症法、新型インフルエンザ等対策特別措置法が改正された。…続き
欧州連合(EU)は2000年代以降13カ国が加盟する一方、20年に英国が離脱し、27カ国体制となった。
世界銀行によれば、EUの財・サービス輸出金額は国内総生産(GDP)比で…続き
欧州連合(EU)は軍事面でもテクノロジー面でもスーパーパワーではない。だが域外企業が無視できない裕福な大市場を背景に、規制面でスーパーパワーとしてグローバルな影響力を行使してきた。…続き
日本経済の強みはものづくり企業にある、という言説がある。過去にそうだったのか、いまでもそうなのか、いま現在の「ものづくり企業」はどうなっているのか。筆者はこれまで、ものづくり企業の課題として、…続き
デジタルトランスフォーメーション(DX)は日本企業にとって共通の、そして喫緊の課題である。しかしDXは様々な取り組みを包含するので、目標を見失いやすい。そのため誤った方向に進みがちだ。…続き
政府は2022年12月に国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の安全保障関連戦略文書(防衛3文書)を閣議決定した。岸田文雄首相が「日本の安全保障政策の大転換」と述べたように、…続き
長く続いた「比較的安価な労働力を企業が手軽に利用できる時代」が今、大きく変わろうとしている。
「労働力調査」によれば、生産年齢人口(15〜64歳)は1995〜2022年に…続き
今春の賃上げへの期待感が高まっている。実際、2022年11月の毎月勤労統計調査では現金給与総額は前年比1.9%伸びている。だが同月の消費者物価上昇率は4.5%(持ち家の帰属家賃を除く総合)のため、…続き
国内物価が上昇を続ける中で、賃上げの行方が注目されている。政府は2022年10月の総合経済対策で「目下の物価上昇に対する最大の処方箋は、物価上昇を十分にカバーする継続的な賃上げを実現すること」としている。…続き
イノベーションとは新しい知識によって経済価値を生み出すことだ。新型コロナウイルス禍では、創薬と情報通信技術の分野での画期的なイノベーションが、大きな人的損失と経済危機を避けるうえで…続き
日本の実質経済成長率が1%前後で停滞するようになってからおよそ30年が経過した。こうしたなか、日本の1人当たり国内総生産(GDP)が2023年までに台湾と韓国を下回るとする日本経済研究センターの試算は、改めて状況の深刻…続き
1944年、ルーズベルト米大統領は首席科学顧問のバネバー・ブッシュに新たな任務を与える。戦争の試練のなか、米国では研究資金を提供する政府と大学の科学者らとの間に緊密な協力関係が築かれていた。…続き
今後のマクロ経済政策について、令和臨調の緊急提言(1月30日、以下「令和臨調」という)の論旨を紹介しつつ、それをもとにした筆者の論を示したい。巨額の公的債務を日銀が無制限に買い支えている現状は正常な状態…続き
2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻と米欧日の対ロ経済制裁は世界経済を大きく揺るがせた。
第1にコロナ禍による悪影響からの回復途上にあった世界経済に…続き
ロシアがプーチン大統領の指示の下で、隣国ウクライナへの軍事侵攻を始めてからまもなく1年がたつ。プーチン氏は、ウクライナに親ロ政権を打ち立てることに失敗しただけでなく、ロシア軍の消耗とロシア経済の減速を…続き