経済学などを専門とする学者や有識者が内外の論文やデータを紹介しながら、学術的な視点から経済の動きをわかりやすく解説します。
自然環境の保全や社会の幸福と調和する経済の持続可能な発展、すなわちサステナビリティーのあり方への議論が高まっている。重要な経済主体である企業のかかわり方は、経営学でも高い関心を呼んでいる。…続き
岸田文雄首相が主導する原子力発電推進への方針転換は、再生可能エネルギーと並ぶ重要なクリーン電源である原子力という選択肢の復活を意味する。
変動性の再エネ電力の導入が進むなか、経済性の失われた老朽火力発電の…続き
2022年8月に開かれたGX実行会議でエネルギー政策の新たな道筋が示された。同会議での岸田文雄首相の発言には原子力利用に関して重要施策が含まれている。(1)原子力発電所の再稼働(2)原発の運転期間の延長…続き
8月のGX実行会議での岸田文雄首相と西村康稔経済産業相の原子力に関する発言を巡り、一部メディアが「原子力政策を転換した」と大きく報じた。岸田政権が原子力政策の遅滞解消に向け年末までに政治決断が求められる…続き
次世代通信ではようやく5Gが都市部を中心に各社サービス網の展開が広がっているが、その次の世代である「ビヨンド5G」、いわゆる6Gと呼ばれる通信システムの議論も進んでいる。さらなる高速通信、低遅延、…続き
次世代通信の6G(ビヨンド5G)に向けた研究開発が世界各国で活発に行われている。ただ、6Gと言われても「5Gスマホもまだ普及していない」「5Gのカバーエリアが狭くて使えない」「サービスも4Gで十分」…続き
日銀の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)の導入から既に6年が経過し、超低金利環境が長期化している。2022年にはインフレは当初目標の2%を超え、潜在成長率は若干プラスで推移しているが、…続き
日銀の異次元緩和が始まって約10年になる。そもそも異次元緩和は何を目指した政策だったのか、どこまで達成できたのか、副作用は何だったのかを整理し、今後の方向性を考えたい。…続き
円相場の大幅変動は特に目新しい現象ではない。1998年に起きた日本の金融危機のさなかには1ドル=147円台まで円安が進んだが、2011年には80円を超える円高となった。…続き
経済のデジタル化により財・サービスの電子的な発注や、ダウンロード・ネット配信など電子的に配送されるサービスの利用が増えている。こうした発注・配送時のデータ収集・移転を…続き
2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して以降、世界貿易は急拡大し、グローバルサプライチェーン(国際供給網、GSC)が構築されてきた。その中心となった中国から発生した新型コロナによる…続き
将来の貿易はサービス貿易が中心になると筆者はみている。特に「中間サービス」と呼べるようなサービスが主役になるだろう。それは、消費者向けを想定した企業に供給される中間財のサービス版と考えればよい。…続き
小宮隆太郎先生が逝去された。その経済思想の原点は「経済学の論理を現実の政策に生かすこと」にある。
東大助教授となった1955年当時の日本の経済学界は、観念的なマルクス理論が中心で、…続き
資金移動業者の口座(ウォレット)に給与を支払うデジタル給与制度が2023年4月に導入される。これが実現すると、消費者はQRコードなどを使った決済サービスの利用に際しウォレットにチャージする手間を省ける。…続き
今回の中間選挙で米国の有権者は明確かつ重要な判断を下した。これにより2024年の大統領選に向けた舞台が整った。
中間選挙は、政権与党には大きな敗北となるのが常だ。…続き
米中間選挙では、上院で民主党が現有50議席を確保し、12月6日のジョージア州決選投票で上積みを目指す展開となった。下院では過半数の218議席に先に到達した共和党が多数派を奪還することになった。…続き
大統領の党が大きく議席を失うのが恒例の米中間選挙だが、今回は与党・民主党が上院の多数派を維持し、下院の議席数も微減にとどまる異例の展開となった。バイデン大統領の…続き
高齢世代に偏在する資産を若年世代に移転して、消費喚起・経済活性化に役立てようという議論が進んでいる。政府税制調査会の相続税・贈与税に関する専門家会合の資料によると、…続き
日本人の老後準備の柱は公的年金である。2021年の国民生活基礎調査でも、高齢者世帯の平均所得333万円のうち6割(207万円)を占めている。ただ、社会保障審議会などで改革案が議論されているように、…続き
人々が、移りたいと思う企業に転職しやすくなる、いわゆる企業間の「労働移動の円滑化」が、政策的な課題になりつつある。経済構造や産業構造の変化に伴って、人々が活躍できる場所や機会が変化している。…続き